◆「体幹と肩甲骨を連動させる」◆
これはこの冬に中心的に行って、効果を感じられたトレーニングです。
以前のメルマガでも触れたのですが、もう一度動画も加えてお伝えします。
それくらい重要な項目です。
ピッチング、バッティング、ともに足が地面に着いた中で、
手を加速させるという動作です。
そこで大切なのが、足から手まで、力の漏れが無いように、
一気に筋力を発揮しなければならないということです。
捻じれの力、縦の力、横の力、全てがお腹に、
そして不安定な肩甲骨を安定させてとにかく力を伝える。
それがとても大事です。
では、足から手まで、力を伝えるトレーニングを紹介します。
◆実践編・コンディショニングトレーニング◆
「ワンハンド・肩甲骨プッシュ」
壁に向かって少し離れて立ちます。
体が斜めになるようにして、体重をかけて両手をつきます。
片方の手を離します。
ついている手で壁を押すようにして、体を押し返します。
肩甲骨もぐっと前に押し出せるよう、行っていきましょう。
体幹がぶれないように、安定させることが大切です。
より負荷をかけるために、
腕立て伏せの姿勢でも同じように行ってみましょう。
腹斜筋(肩から股関節の対角線)を意識し、
肩甲骨を使って動かしていきましょう。
回数に特に制限はかけません。
終わった後に軽くシャドウピッチングをし、
前で力が使える感覚があると成功です。
是非お試しください。
◆「筋―骨格バランス調整」◆
たいていの場合、身体に歪みやアンバランスのある状態でプレーしています。
よほど身体の事を知り、コンディショニング出来ていないと、
確実に起こっているケースだと思います。
今回はその一つの例として、足の長さを目安に「骨盤」の歪みによって、
全身の筋反応が悪くなっているケースの改善例を紹介します。
まず、足の長さが変わっている時、どのような歪みが骨盤にあるのでしょう。
これは、長い足の方の骨盤が前に、短い方は後ろに骨盤が傾いています。
その原因は、長い足の表側(大腿四頭筋)が緊張し、
短い足の裏側(お尻やハムストリング)が緊張しています。
そして緊張していない筋肉は、力が発揮しづらくなっているケースが多いのです。
(長い足のハムストリングなど)
それだけでなく、歪みのある状態では、身体がそれをストレスと感じ、
全身の筋力が発揮しづらい状態となります。
では実際にどのように歪みを直すのか、
修正方法を紹介していきます。
◆実践編・コンディショニングトレーニング◆
「骨盤修正のコンディショニング」
まずは長座で座った状態で、踝の位置をくらべます。
どちらが長い足になっているか、把握しましょう。
長い足のももの表側をストレッチします。
その反対、短い足のももの裏側(ハムストリング)をストレッチします。
その後、長い足を軸足とした、股関節トレーニングを行います。
そしてもう一度長さを比べてみましょう。
戻っていれば筋バランスが整い、良い状態となっています。
コンディショニングの前後で、身体の捻りや前屈など比べると、
動きやすくなっていることが分かるかと思います。
動画でやり方を紹介しますので、
こちらをご覧ください!
◆「足裏外側(アウトエッジ)の重要性」◆
毎回講習会などでは、足裏の外側(アウトエッジ)について話します。
そして「内側を使うんじゃないの??」と質問を受けます。
そこで足裏と股関節の関係を解説し、なぜ外側が大切なのか考えます。
足の外側が地面に着く(内側を浮かせる)ような足首の動き、
つまりつま先、特に親指が引き上がった状態では、
股関節は曲がることが得意になります。
股関節が曲がることは、骨盤の前傾に繋がります。
体重移動では必ず骨盤の前傾が必要です。
その後身体をキャッチャーに向けた時に、
前に力を発揮する為に前傾ポジションを作る必要があるからです。
つまり、体重移動ではアウトエッジを使ってプレートを押していく方が、
その上にある骨盤の運動にとって都合が良いのです。
それを何となくのイメージでインエッジ(拇指球)で押していくと、
骨盤が後傾し、体重が乗らない上に開きも早くなってしまうのです。
ではこの足裏の使い方のトレーニングを紹介します。
◆実践編・コンディショニングトレーニング◆
まずイスに座るなどして、身体をリラックスさせます。
足裏がべったり床に着くように座りましょう。
まずつま先を上げるようにして踵を地面につけます。
このとき指はパーの様に広げます。
次にパーのまま足裏を地面につけます。
そして小指から順番に地面につけていき、
最後に指を握ってグーにします。
この流れを繰り返しましょう。
動画で解説していますので、是非そちらをご覧ください。
また、トレーニング前に足を緩める「足指リラクゼーション」を行うと、
さらに効果的です。
DVDにて分かりやすく解説していますので、
そちらを是非ご覧頂けたらと思います!
◆「飛距離を伸ばすために?」◆
バッティングの動作について考えます。
ピッチングと明らかに違うのは、受身の競技だということです。
ピッチャーは自分手動なので、
自分の身体の中で最大パフォーマンスを発揮すれば良いのですが、
バッティングはそうはいきません。
なので動作を変えた直後にそれが良い結果を生むかどうか、判断しづらいものですね。
ひとつの指標として、ボールの回転を見てみましょう。
ピッチャーは自分のボールの回転を意識しますが、
バッターももっと自分の打球の回転に意識するべきだと考えています。
ゴルフではスライスやフックなど、回転に意識を向けています。
そして真っすぐ~ややドロー(緩やかなフック)の回転の時に、
飛距離が一番出ると言われています。
その理由を考えると、バッティングでの飛距離(打球の速度)も上げることが出来ます。
スライスが飛ばない原因は、単純にヘッドが加速する前にボールを捕らえているから。
つまり、肩の回転にヘッドが追い付かず、身体の後で打ってしまっているのです。
バッティングでも非力なバッターはこういった捕らえ方をしています。
この原因は、腹、背中、肩甲骨が捻りの力に対して耐えられず、
バットを押した力の反力に押し返されてしまい、
腰だけが先行して回ってしまうからです。
つまり、体幹(腹や背中、肩甲骨)の捻りによって、
右手(右打ち)が前に押し出せるような身体が必要です。
地面から足を通って、最終的に手まで力を伝えるトレーニングを紹介します。
◆実践編・コンディショニングトレーニング◆
「ワンハンド肩甲骨プッシュ」
・腕立て伏せの姿勢になります
・手は外を向け、肘は伸ばしたまま
・肩甲骨の動きだけで胸を上下させます
・慣れてきたら、体幹がぶれないように片手で行います
お腹が落ちないように気をつけながら、10回~20回行いましょう。
その後、肩甲骨からプッシュ出来る感覚を動作の中で覚えていきましょう。
◆今週のLAS理論講座「コンディショニングの考え方」◆
コンディショニングの考え方として気をつけたいのは、
「緩めて柔らかくする」ことが最大のパフォーマンスを発揮するということではない、
ということです。
確かに痛みや運動の制限は、筋肉の硬さによって起こります。
しかし、その裏には「緩んでしまった力の入らない筋肉」が存在しています。
筋肉は、正常な状態ではちゃんと縮んだり、機能を発揮します。
しかし、背骨の歪み、栄養バランスの乱れ、様々なストレスなどによって、
働きが悪くなってしまいます。
これは全身に起こるものではなく、部分的に起こるのです。
背骨で言えば、首周辺の歪みが起こると、肩、肘、指の筋肉が機能低下する場合が多いです。
また、腰周辺の背骨が歪めば、もも、ふくらはぎ、足の筋肉がやられます。
栄養も同じように、バランスを乱すとそれぞれの栄養素に影響される筋肉があるのです。
コンディショニングの正しい捉え方は、機能低下の原因を知り、
歪みや栄養バランスなどを改善することで、機能を高める。
そしてその裏で緊張してしまった筋肉が勝手に緩むということです。
今回はその栄養の部分、そして背骨の並びを整えるコンディショニングを紹介します。
(栄養に関する動画)
◆実践編・コンディショニングトレーニング◆
背骨のコンディショニング「スクイジング」
イスに座り、首の後ろに手を組み、背骨を伸ばします。
まずは左右に大きく身体を捻っていきます。
次に、背中をそらしたり、前に屈んだり、背骨を縦に動かします。
その動きをミックスし、左上から右下と、右上から左下に、
背骨の動きで大きく動かしていきます。
大きくゆっくり3~5往復ずつ行いましょう。
◆今週のLAS理論講座「前足(股関節)に体重を乗せるために」◆
先週ご質問いただいた内容でいきます。
多くの投手が悩むところ「前足に乗る」という言葉。
LAS理論なりの解説をしていきたいと思います。
まず二つの要素を考えます。
・骨盤の後傾
体重移動時に骨盤が寝る(ソファにだらっと座ったような形)
これが一番体が前に出ていかない原因になってしまいます。
回旋運動と移動の方向が合わないからです。
骨盤がしっかり立ち(前傾し)、重心移動をし、回旋すると、
自然と胸は前足の上に乗り、股関節が深く曲がった状態となります。
・殿筋の硬さ
ステップ足のお尻の筋肉が硬いと、股関節を上手く曲げられず、
いわゆる「乗った」状態が作れません。
また、お尻の筋肉は、脚を外にひねる筋肉の為、
硬くなると内側に締めることが出来なくなります。
これを緩めるコンディショニングで、前膝の開きを改善しましょう。
◆実践編・コンディショニングトレーニング◆
・殿筋ストレッチ
イス、または床に体育座りの状態で、膝に足をかけ、
かけた足のスネに胸を近づけるようにしてお尻の筋肉を伸ばしていきます。
・バンザイスクワット
バンザイして伸びた状態で、
お尻を後ろにつきだしながらスクワットを行います。
膝が足の上にしっかり乗っていることを意識しましょう。
ゆっくり10回を目安に3セットほど行います。
◆「野球肩のコンディショニング」◆
野球肩になる特徴として、背骨の動きが関係しています。
その背骨をコントロールしているのが骨盤、
そして骨盤をコントロールしているのがハムストリング(もも裏)などの、
股関節周辺の筋肉です。
今回はその中でも特に重要なハムストリングのコンディショニング。
ハムストリングを緩めることで、骨盤の前傾が取れるようになり、
投球動作の中での肩甲骨の動きを確保します。
そしてその後の背骨の動きを改善するコンディショニングを紹介します。
ハムストリングのストレッチを行うときに、
先に膝を伸ばしてしまうと、背中から円くしがちです。
股関節を柔軟にしたいので、
まず先に股関節をしっかり曲げてから膝を伸ばしていく方法を取ります。
◆実践編・コンディショニングトレーニング◆
「ハムストリングストレッチ」
<やり方>
・体育座りで膝と足を肩幅より少し広いくらいに開きます
・内側から両足をつかみます
・足を引っ張るようにして体を前に倒し、膝の中に入れます
・体が起き上がらないように維持しながら膝を伸ばしていきます
息しながら10秒キープ。
これを5回程繰り返しましょう。
骨盤を前に倒す動きが改善され、背骨が反りやすくなります。
すると肩甲骨が柔軟に動き、肩の負担を回避することが出来ます。
そのあと背骨のコンディショニングをすると全く違います。
「背骨のリセッティング」
<やり方>
・イスに座り、首の後ろで手を組みます
・まずは左右に背骨を捻ります
・前後に背骨を円めたり反ったりします
・ミックスして、斜めに動かし、逆のパターンも行います
背骨が動くと肩甲骨も動かしやすくなり、野球肩の予防改善に役立ちます。
どうぞ試してみて下さい。
◆「野球肘と首」◆
首の位置が悪いことが、野球肘に大きな影響を与えます。
何度も繰り返して故障するリスクの多くは、
直接的に肘の筋肉の緊張が起きているからではなく、
首などの他の部位に根本原因があることが多いのです。
ゲーム、勉強、デスクワークなどの姿勢が、
首の位置を悪くする原因になりやすいです。(猫背)
具体的には、頸椎4~6番などが肘周辺の筋肉を動かしているため、
首が前に出た姿勢が影響をもろに与えます。
たいていの選手が首の位置が少し前にあるため、
野球肘ではない選手も、修正することでパフォーマンスが向上する可能性があります。
それではコンディショニングを紹介します!
◆実践編・コンディショニングトレーニング◆
今回は首のマッケンジー体操を紹介します。
マッケンジー体操は、背骨の動きを改善するための、
カイロプラクティックなどの治療法の一種です。
・真っすぐに立ちます(猫背にならないように)
・顎をひきながら首を後に引くように(首を短く)します
・さらに顎を指で上斜め後ろに押していきます
このときも顎は引いた状態を維持します。
10秒を3セットほど行いましょう。
動画でこちらを見ることが出来ますので、是非クリックしてみて下さい。
◆「下部僧帽筋で楽に肘を上げる」◆
肘の上げ方はどうですか?
という質問を多く受けます。
基本的にはそれほど重要視していません。
肘は体から生まれる遠心力によって勝手に動かされるものだからです。
しかし下の動きが良くて、正しい向きに遠心力が働いたとしても、
肩甲骨などの動きに制限があれば、もちろん動かすことは出来ません。
肩甲骨は、ちょうど三角定規のような形をしています。(30度、60度、90度のもの)
そして三角定規の直角の部分が向かい合うようにして左右についています。
肩甲骨は、肘を上げる時にはただ真上にスライドするのではなく、
直角の部分を中心に外側へ回転するのです。
逆に言うと、直角の部分が上がらないように、下に抑えていなければ回りません。
この抑えとなっているのが、下部僧帽筋という筋肉です。
下部僧帽筋は、肩甲骨の内側から背骨の真中から下の方にかけてついています。
ここを意識したトレーニングによって、楽に肩が上がる体を作りましょう。
◆実践編・コンディショニングトレーニング◆
「バンザイ・スクワット」
以前講習会で多用していました、バンザイスクワットです。
スクワットが上手に出来なければ効きませんので、
まずはスクワットを改善して下さい。
土台のトレーニングなど行うと改善しやすくなります。
足を肩幅に開き(平行に)、思いっきり天井に向かって伸びます。
アゴを引きつつ、息を思いっきり吐きながらスクワットの様にしゃがみます。
伸びは強く維持したままふとももが水平になるまでです。
息を吸いながらゆっくり戻します。
しゃがんだところで3秒止め、10回を目安に行いましょう。
効かせるポイントは肩甲骨の内側と背筋です。
終わった後、肩を回して回しやすくなっていれば成功です。
◆「最後の力を伝える指力」◆
肩甲骨のトレーニングで解説したように、
重心(お腹などで)作られた力を、
最後指先までロスせずに伝えなければなりません。
その時に、指のフックのような力が必要になります。
どちらかといえば、ボールをリリースする時というのは、
開いた指を自ら握っていくというよりは、
もともと曲がった指が伸ばされる力に対抗し、
引っかけ続けるというような筋力の使い方になります。
この力を鍛えるのが、指で物を引っ張ったりするトレーニングです。
身近なところでは鉄棒などが有効です。
トレーニング例を紹介させていただきます。
◆実践編・コンディショニングトレーニング◆
「指フックのトレーニング」
鉄棒にぶら下がります。
ボールを持つ時の指を引っかける位置と同じように、
第一関節に一番力がかかるように少し手を開きます。
もし可能であれば人差し指と中指の2本指でぶら下がります。
すこしだけ体を上下させるようにバウンドさせましょう。
特に回数制限を設けず、
指が離れるまで行いましょう。
※
投球練習などがある場合は、
全て終了してから行うようにしてください。