LAS投球動作~物理学で負担なく球速とコントロールを~

LAS投球動作の概要

左股関節を軸に投げる

ピッチングの要素は大きく分けて二つです。重心の移動速度とリリース時の円の半径です。
重心の移動速度が速ければ、それだけの速度をボールに与えることが出来る最大値を高めることが出来ます。そしてその最大値の中で、より100%に近づける為には投球の円の半径を長くすることが必要です。
Long Arm Spinとは、リリース時の指先が描く円の半径を長くして回旋させることを意味します。なぜこの円の半径を大きくするかというと、円運動の速度は中心の回転の速さと、半径に比例するからです。


(左がアームの長いLASリリース、右がアームの短い背骨を回旋させた動作)

球速で有利な理由

人間の体の運動は全て関節を中心とした円運動で行われます。投球動作も円運動でボールを加速させています。ではこの円運動の中で物体を加速させるには、どのような要素が関係してくるのか考えてみます。

円運動の物体の速さを表す物理式は、
速さをV、中心の回転速度(角速度)をθ、中心から物体までの距離をSとすると、

Zu01

V=θ×S

の式で表されます。
つまり、球速を上げるには中心の回転速度を上げ、アームを出来るだけ長くとる必要があると考えられます。

コントロール面で有利な理由

円の弧が大きくなるほど、リリースのタイミングのズレによるボールコントロールのズレが小さくなります。

Zu02

上の図で比べてみると、同じ距離のリリースの狂いでも、円が大きい方が角度のブレが少ないことが分かります。

つまり、リリース時に軸となっているのが手首や肘なのか、肩なのか、背骨なのか、それとも重心である下腹部なのかによって、円の半径が変わってくるのです。もちろん下腹部から指先までを半径として使えた方が有利なのです。そしてこのようなリリースを迎えるための身体の使い方をすることが、LAS投球動作の目的になります。

ここでは「バランス・後くの字・前くの字」という3つのフェーズに分けて解説をおこなっていきます。

バランス

これは、ピッチャーが足を上げたところのバランスです。足を上げた後にどのような動作が待っているのかというところを考えると、足の上げ方を考えるこ とが出来ます。理想的なバランスは、頭と膝が軸足の真上にあり、お尻がそのライン上もしくはそれより背中側にある状態です。

ピッチングフォーム、バランス

(OK)

よく見られるのが、頭が軸足より背中側に倒れてしまい、その代わりにお尻がお腹側に入ってしまった状態。いわゆるY字バランスと呼ばれるバランスで す。この状態からでは、全体的な動作の中心が股関節ではなく膝に入ってしまい、上体が後傾し、前に力を伝えにくい動作となってしまいます。

(NG)

足を上げた後、お尻を後に引き込み、股関節の所でくの字を作る「後くの字」が行いやすい状態でバランスを取ることで、全体的に股関節を中心に使った理想的な位置に身体を移動させていくことが出来るのです。
後傾してしまうタイプの選手は、骨盤を前傾させるための「大腰筋」や、背骨を立てるための「脊柱起立筋」などが弱いという特徴があります。それらの筋肉を鍛えることによって、自然に理想的なバランスを手に入れることが出来ると考えられます。

後くの字

後くの字は、体重移動をいかに強く行うかというところの身体の使い方です。体重移動を起こすときに軸足の股関節のところにくの字が出来るように身体を使っていくことが理想的な動作です。

(OK)骨盤がやや二塁方向を向いた状態。膝は外を向いている。

これは小学校の時に運動会で教わった、「綱引き」の形です。グローブ手で縄を引っ張るときに最も強く引ける身体の使い方こそが、最も前への力を発揮し やすい状態です。二つの実験をすると、壁などの固定物を引っ張るとき、肩から引っ張ろうとするよりもお尻を後に引くようにして使った方が強く引けることが 分かります。これを投球動作に応用し、足を上げたところからお尻を後に引き込むように身体を移動させていくのです。
膝を内側に絞りながら屈伸運動を行ってしまう と、お尻を引き込むことが出来ずに力は半減してしまいます。


(NG)膝を内側に絞った動作
おへそと骨盤をやや二塁方向に向けるようにしてお尻を引き込むため、膝はその方向やや外側を向 いていることが理想的です。

このときに使われている筋肉は、お尻を引き込むための「大腰筋」や、膝を支えるための「足裏」の筋肉です。

前くの字

リリースポイントのところが前くの字です。このとき、踏み込んだ足の股関節のところに深いくの字が出来ていて、上体が前傾し、指先までしっかりと力が 伝わっていることが重要です。ここでトレーニングとしては、股関節にくの字を作る(屈曲)ことと、お腹を斜めに使うことを同時に行うトレーニングを行わなければなりません。


(OK)左股関節から指先までが長いアームとなっている。

また、踏み込んだ足の膝が曲がり、着地が膝より身体に近いところになってしまうと、股関節にくの字をうまく作ることが出来なくなります。


(NG)膝より手前で着地している。
したがって、 着地は出来るだけかかとから、膝よりも前で行い、股関節にクッションを作って行うことが理想的です。そのためのトレーニングとして、ジャンピングランジな どを膝が前に出ないように注意しながら行い、お尻からもも裏のハムストリングを鍛えるようにします。

(NG)背骨を中心にスピンしているため、アームが短い。
また、リリース時に胸骨(胸の真ん中)が膝の上にしっかりと乗っていることも重要です。これが外側に外れてしまうと、身体の軸が全体てきに後傾していることになり、ボールが高めに浮くだけでなく、背骨を中心とした軸を作ってしまい、円の半径が短くなってしまいます。最後まで膝の上に胸骨を乗せたまま フィニッシュを迎えることが理想的です。

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