◆「腹圧」◆
「腹圧」という言葉があります。
お腹という部位は体の中でも比較的柔らかく、内臓の周りを筋肉が覆っています。
よくこの状態を風船に表現することがありますが、
腹圧とはこの風船を引き締める圧力だと考えてよいと思います。
お腹周りの筋肉が全体的に働くことで、
風船の周りをベルトが締めつけるように作用し、腹圧が高まるのです。
この腹圧を高めることがスポーツにおいて重要だと考えられていますが、
どのように影響を与えているのでしょうか。
・骨盤と肋骨をつなぐ
腹圧が高まっているとき、左右の骨盤とその反対側の肋骨を結ぶ、
クロスしたラインがしっかり繋がり、安定します。
するとピッチングやバッティングで、
上半身と下半身が連動して動くことが可能になります。
腹圧が低い選手は、何となく上下がバラバラに動いているように
見えることが多いのです。
・背骨の安定
お腹が比較的やわらかいため、背骨だけで安定させている状態になっていますが、
腹圧が高まると、背骨に加えて固く絞られた風船がいっしょに働いて安定させるため、
お腹の部分がぶれにくくなります。
これによって力が発揮しやすくなるだけでなく、腰痛の予防や改善にも役立ちます。
それでは実際にこの腹圧を高めるトレーニングを紹介します。
◆実践編・コンディショニングトレーニング◆
「肋骨呼吸トレーニング」
1.思いっきりバンザイした状態で息を吸います。
この時肋骨が開いていく意識をします。
2.さらにバンザイを高くするように伸びながら、思いっきり息を吐きます。
3.息を吐き切って、さらにそこから咳をするように強く息を吐きます。
4.手を下してリラックスします。
この1~4の流れを3~5セット行いましょう。
息を吐いた時に肋骨がグーッとしまっていく感覚を持つことが大切で、
そのときにお腹の筋肉がしっかりと使われていることを意識しましょう。
ピッチングやバッティングでは、一番力が入るところ
(テイクバックからリリース、インパクト)で、
このお腹の使い方を意識することで上半身と下半身が連動しやすくなります。
参考にしてみて下さい。