一流選手ほど道具を大切にする
プロ野球選手の道具に対する考え方
ある選手は高卒でプロ野球選手になってから引退するまでずっと同じグローブを使っていました。その選手は毎日のように手入れをし、オフには何回も修理を施して使っていたそうです。これはほんの一例に過ぎないが、一流選手はこのくらい道具に対して愛着を持って道具の手入れをしているのです。
試合に臨む上で不安をなくす
なぜ道具の手入れが大切なのでしょうか。身の回りの手入れをしっかりすることは精神面の充実を生みます。道具の手入れは試合に入る事前準備の一つであります。事前準備が一つでも欠けていれば多少の不安を抱えた状態で試合に臨むことになってしまいます。すると「不安⇒緊張⇒ミス」という悪循環が生まれてしまいます。一流選手は常に100%の事前準備をして試合に臨んでいます。そうなるために道具の手入れは不可欠なのです。
試合後しっかりとした反省をするために
試合でエラーをしてしまった時、「グラブが壊れていた…」などの言い訳をする人がいます。そのような選手は絶対に一流選手にはなれません。自分の技術不足をまっすぐ見つめることが出来ない人が技術向上のための努力をできるはずがありません。道具の手入れなど、試合前に出来る限りミスの原因となる要素を排除することが質の高い反省をし、その後の技術向上を図る上で重要です。
グラブ
汚れ落とし
1布切れなどで空拭きし、砂埃などを落とす
2保革オイルを塗り、グラブの劣化を防ぐ
ここで気をつけなければならないことはオイルを塗りすぎてしまうことです。球児の中には「グラブの手入れ=オイルを塗ること」だと思い込み、オイルを塗りすぎてグラブが重くなってしまったという経験をしたことがある人も多いと思います。そうなると走るスピードが遅くなってしまい、守備範囲もせまくなってしまいます。
型作り
何故型作りが必要なのか?
ボールをグラブに挟むなどしてしっかりと型を作ることが大切です。型をしっかり作っておかないと打球を芯で取ることができず、はじいてしまったり、取った後の握り変えがうまくいかなくなってしまいます。
どのようなことに注意して型作りをすればよいか
【投手の場合】
しっかりと親指が動くような型にすることです。横綴じ型のグラブを使っている選手が多くいます。しかし、横綴じ型のようにグラブをしている方の親指が動かないような型だと右手と左手が違う動きをすることになってしまいます。人間は本来左右で同じ動きをしようとするので、無理やり違う動きをしようとするとそれはストレスとなり、肩肘を痛める原因になってしまいます。
【野手の場合】
野手はどのポジションでも握り変えの速さが重要になってくるので、ポケットを深く作り過ぎてしまうと握り変えがしづらくなってしまいます。実際にキャッチボール等をしていく中で、自分にとって握り変えのしやすいポケットの深さ、型を見つけることが大切です。
スパイク
正しい選び方
スパイクを選ぶうえで気を付けるべきことは足の指がきちんと動くようにすることです。きつすぎて指が動かないと投げる際、打つ際に踏ん張る力が低減してしまい、力を最大限に伝えることができなくなってしまいます。また、足の指がきちんと動かずしっかりと踏ん張ることができないと、足首が不安定になってしまい、捻挫しやすくなってしまいます。また、中敷きにも気を使い、自分の足に合った中敷きを選んで使用することも重要です。
手入れの仕方
手入れをする際は、グラブ同様オイルを塗りすぎて、重くならないように気を付け、使わないときは風通しのよい日陰の場所に保管しておくようにしましょう。そうすることで革がより長持ちするようになります。
スパイクを履く前後に
どんなに自分の足に合っていてもスパイクを履くと足指の関節が縮こまってしまうのでスパイクを履く前、脱いだ後には指と指の間、また関節を広げるような運動を意識的に行うようにしましょう。
バット
金属バット
金属バットに関しては、クリーナー等を用いて汚れをしっかり落とすようにしましょう。汚れが付いていては反発力が落ちてしまいます。また雨の中使った後はしっかりと拭き、さびがつかないように注意しましょう。
木製バット
木製バットに関しては、金属バット同様汚れをしっかりと落とし、かつ湿気の多い場所を避け、乾燥させておくようにしましょう。
ユニフォーム
道具の手入れというと、グラブ・スパイク・バットは自分で手入れしてもユニフォームの洗濯は親任せという球児は多いのではないでしょうか。しかし、ユニフォームもグラブ・スパイク・バット同様野球をするうえで不可欠な道具であるのにこれだけ手入れを親に任せるというのはおかしな話ですよね。自分で付けた泥を自分で落とすことでまた新たな気持ちで次の練習に入れると思いますし、何より自分自身で洗濯することで自立心を身につけることができます。ユニフォームの手入れにも気を使って気持ちよく練習できる環境を自分自身で作るようにしましょう。