コラム

名古屋市 昭和橋中学校 八幡章雄先生

子どもたちの目がキラキラしていた


――指導を受けての感想を教えてください。
八幡 子どもたちが目をキラキラさせながら、小澤さんの話を聞いていたのが印象的です。そこが一番大きいですね。小澤さんに受けた指導を続けていくと、「うまくなれるんじゃないか」という実感があったのだと思います。
――それはうれしいお話しです。ありがとうございます。
八幡 私自身もとても勉強になりました。今まで、「努力が足りない!」「腕を振れ」と抽象的な表現で教えていたのが、「しっかり立てているか?」「立てていなければ、何を意識すればいい?」「足の裏の使い方はどうだ?」と、具体的に伝えることができるようになりました。

コントロールが改善される

――実際に、その後の練習で取り入れていることはありますか。
八幡 たくさんありますよ。アップを終えて、スパイクに履き替えるときに、足の裏をピアノの鍵盤のように1本1本ほぐしていく。小澤さんから教えていただいたストレッチです。ピッチング練習で、軸足一本で立ったときに少し不安定さを感じたら、ハムストリングを伸ばすストレッチを入れることもあります。
――効果はいかがですか?
八幡 試合ですぐに結果を出せるかというと、まだわからないところもありますが、練習の段階ではコントロールがよくなったピッチャーがいます。また、今まで打たれていたボールが打たれなくなったり、さまざまな点で成長を感じています。

自ら練習法を見つけ出す

――八幡先生が、中学生を指導する中で気をつけている点はありますか。
八幡 若いときは、こちらが1から10まで教えて、「やりなさい!」という指導でした。それがいまは考え方が変わって、子どもに気付かせるように仕向けています。たとえば、真っすぐ立てないピッチャーに、「どうしてだと思う?」「どんな練習をすれば、改善できる?」と、あえて聞く。そうすると、子どもはそれまで取り組んできた練習の中から、「これがいいと思います」と自らやりだすんです。それが、私が思ったのと違う練習法でも、「いいよ、やってごらん」と言うようにしています。
――私の理想は、自分でトレーニングを開発できる選手を育てることです。体のどこを使って投げているか、そして関節をどう動かせば体を鍛えることができるかの2点がわかれば、自分で開発できます。そういう意味で、子どもに練習法を考えさせる取り組みは、とてもいいですね。
八幡 あと、気をつけているのは「キーワード」を入れることです。たとえば、「アウトエッジ」「前くの字」「後くの字」。キーワードをパッといえば、子どもたちは「こういう形なんだ」と理解ができます。やるべきことが明確に見えているので、私も子どもも納得したうえで練習に取り組むことができています。

<プロフィール>


八幡章雄 やはた・あきお
1966年4月5日、愛知県名古屋市生まれ。
松蔭高校~愛知教育大。大学まで野球を続け、サードとして活躍。
大学卒業後、中学の教員となり、現在の名古屋市立昭和橋中が4校目。
数学科。授業では「学び合い」の手法を用い、生徒同士で教え合うスタイルを取っている。
それを野球にも生かし、監督が選手に一方通行で教えるのではなく、選手が自ら気付くよう、あえて「待つ」ことを大事にしている。

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【股関節のクッション】

◆「股関節のクッション」◆

投球動作の中で大切なのが、
ステップ足の着き方と体重を受ける場所です。

体重が流れてしまう多くの選手が膝よりも体に近い場所にステップし、
膝で体重を受けるような動作をしてしまっています。

すると骨盤を止めることが出来ず、
結果として上体に力を伝えることが出来なくなってしまいます。

理想的なステップは、膝よりも前にステップをすること。
そしてクッションを股関節に作ることです。

これを行うためには、ハムストリング(もも裏)やお尻などの強さ、
そして柔軟性が必要です。

◆実践編・コンディショニングトレーニング◆

股関節のトレーニングを紹介します。

どちらかの足を前にして、6足分の歩幅で股を開きます。
体を真っすぐに立てるようにして胸を張り、
おへそや骨盤は真っすぐ前を向くようにします。

その場で股関節に体重を感じながら上下に体をバウンドさせます。

5回バウンドしたら反対を向き、5回バウンドさせます。

これを3往復から5往復、連続で行いましょう。

注意すべきポイントは、
膝に体重を乗せないように、
必ず股関節で体重を支えるように使うことです。

参考にしてみてください。

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【腹圧】

◆「腹圧」◆

「腹圧」という言葉があります。
お腹という部位は体の中でも比較的柔らかく、内臓の周りを筋肉が覆っています。

よくこの状態を風船に表現することがありますが、
腹圧とはこの風船を引き締める圧力だと考えてよいと思います。
お腹周りの筋肉が全体的に働くことで、
風船の周りをベルトが締めつけるように作用し、腹圧が高まるのです。

この腹圧を高めることがスポーツにおいて重要だと考えられていますが、
どのように影響を与えているのでしょうか。

・骨盤と肋骨をつなぐ
腹圧が高まっているとき、左右の骨盤とその反対側の肋骨を結ぶ、
クロスしたラインがしっかり繋がり、安定します。
するとピッチングやバッティングで、
上半身と下半身が連動して動くことが可能になります。
腹圧が低い選手は、何となく上下がバラバラに動いているように
見えることが多いのです。

・背骨の安定
お腹が比較的やわらかいため、背骨だけで安定させている状態になっていますが、
腹圧が高まると、背骨に加えて固く絞られた風船がいっしょに働いて安定させるため、
お腹の部分がぶれにくくなります。
これによって力が発揮しやすくなるだけでなく、腰痛の予防や改善にも役立ちます。

それでは実際にこの腹圧を高めるトレーニングを紹介します。

◆実践編・コンディショニングトレーニング◆

「肋骨呼吸トレーニング」

1.思いっきりバンザイした状態で息を吸います。
  この時肋骨が開いていく意識をします。
2.さらにバンザイを高くするように伸びながら、思いっきり息を吐きます。
3.息を吐き切って、さらにそこから咳をするように強く息を吐きます。
4.手を下してリラックスします。

この1~4の流れを3~5セット行いましょう。

息を吐いた時に肋骨がグーッとしまっていく感覚を持つことが大切で、
そのときにお腹の筋肉がしっかりと使われていることを意識しましょう。

ピッチングやバッティングでは、一番力が入るところ
(テイクバックからリリース、インパクト)で、
このお腹の使い方を意識することで上半身と下半身が連動しやすくなります。

参考にしてみて下さい。

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【肩甲骨のスタビリゼーション】

◆「肩甲骨のスタビリゼーション」◆

肩甲骨と言えば柔らかさが重視されますが、
もちろん強さも必要です。

肩甲骨は関節で体に着いている訳ではなく、
靭帯などに比べ比較的やわらかい、筋肉で体についています。

可動域を確保するためには周辺の筋肉の柔らかさが必須です。
が、柔らかいだけでは体から肩甲骨が離れてしまいます。
時には体にくっつけて安定させるくらいの機能が必要です。

例えば腕立て伏せをするときに、後ろに肩甲骨がぼこっと出てしまう。
これは地面からの力を受けると体にくっつけていられない状態です。

投球動作やバッティングを考えると、
しっかりボールやバットを加速させたい(力をあたえたい)のに、
肩甲骨のところで力が逃げてしまっていては伝えられません。

この肩甲骨を安定させて使うという考え方も一つ頭に入れてトレーニングしたいところです。

だから腕立て伏せや倒立が大切なのです。
ベンチプレスでは意味がないのですね。

それでは肩甲骨のトレーニングを紹介させていただきます!

◆実践編・コンディショニングトレーニング◆

「肩甲骨プッシュアップ」

プッシュアップとは腕立て伏せのことですが、
通常肘の曲げ伸ばしを行う腕立て伏せを、
肘を伸ばしたまま肩甲骨の動きだけで行います。

これによって肩甲骨を動かす「前鋸筋」を鍛え、
インパクトやリリースでの押しこみを強化します。

ポイントは
・体は真っすぐ(お腹が落ちたりお尻が出たりしないよう)
・肩甲骨の動きを意識する
・手を肩の真下に置く
・地面をしっかり押す

今回は動画にもアップしているものなので、
動画をご覧頂けたらと思います!

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【モビリゼーションとスタビリゼーション】

◆「モビリゼーションとスタビリゼーション」◆

ブログでも紹介しました!「以下抜粋文」

コンディショニングを考える上で、
関節(筋肉、骨)へのアプローチとして肝になる二つです。

モビリゼーション=緩める
スタビリゼーション=安定させる

それぞれどんなアプローチ方法があるかと言えば、

「モビリゼーション」
ストレッチ
マッサージ
牽引
関節モビリゼーション(関節を直接動かすテクニック)
電気治療
筋肉への針
など

「スタビリゼーション」
トレーニング
圧迫

トレーニングの中には多く種類があるのですが、
筋力発揮をさせるものに関しては基本的にはスタビリゼーションに含まれます。

例えばバランストレーニングや、
外部からの力に対して部位を止めるトレーニングなどが代表的です。

治療やコンディショニングのテクニックとして、
モビリゼーションのテクニックばかりが優先されているのですが、
スタビリゼーションの重要性が無視されがちなのです。

「緩めれば痛みが消え、最高のパフォーマンスが発揮できる。」
というのが最も危険な考え方で、
ケガを誘発する可能性が非常に高いです。

筋肉が硬直する、緊張する原因は、
実はその反対側の筋肉の緩みであることが多いのです。

筋機能が何らかの影響で一時的に低下することはありますが、
向上することはありません。

つまり内臓や神経、栄養不足、関節の歪みなど何らかの異常があり、
結果的に一時的な筋力低下が起こったときに、
その反対側の筋肉が緊張してケガとなるのです。

この根本原因にアプローチせずに緊張した筋肉をほぐしても、
たいていの場合はまたもとに戻ってしまうのです。

根本原因を解決した後にゆるんだ筋肉のスタビリゼーションを行うことが、
コンディショニングでは非常に大切だと考えられるのです。

◆実践編・コンディショニングトレーニング◆

「下肢のスタビリゼーショントレーニング」

下肢とは股関節以下(足、足首、膝、股関節)のことで、
このスタビリティを行うと、上半身への力の伝達がしやすく、
圧倒的にパワーが発揮しやすくなります。

早速やり方を解説します。

片足で立ち、両手を広げ、胸を張ります。

体を前に倒しながら、地面に着いていない脚を後ろへ伸ばしていき、
体でTの字を作るようにします。
このとき背中が丸くならないよう、背筋を利かせておきます。

頭から後ろ脚までが水平の一直線になったら、
その直線を保ちながら浅めの片脚スクワットを行います。

ゆっくりゆっくり、
1回を10秒くらいかけて行うイメージです。

左右1回ずつを3~5セット行いましょう。

行う前後で片足立ちになったときのバランス感覚の差を感じられれば成功です。

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【重心移動と綱引き】

◆「重心移動と綱引き」◆

ピッチングで重要な部分を占めるのが重心移動。
数10キロから100何キロという重さの物体が速度を持つというのは、
実はものすごいパワーなのです。

物理で言うところのエネルギー保存の法則。

もしステップで体が持っているエネルギーが0になって、
全てがボールに乗り移るとすると、
もともと体が持っているエネルギーが大きい方が当然球速も出るわけです。

エネルギーは重さ×速さ×速さで計算されますから、
ボールが仮に250グラム(計算しやすいように)とすると、
体重70キロの場合

70×速さ×速さ=0.25×球速×球速

つまり、

球速の2乗=280×重心移動の速さの2乗

となるわけですね。

130キロ出したかったら、
重心移動の速さが最低8キロくらい必要な計算です。

意外と時速8キロっていうのは速い数字だと思います。
一歩でランニングくらいの速さまで高めなければならないので。

問題はステップした瞬間に重心移動の速度を0まで抑えられるか、
そして実際には腕も重さに含めなければならないので、
この8キロよりもっと速くなければなりません。

そこで重心移動をよりパワフルにする必要があるのですが、
そのヒントが綱引きです。

綱引きは必然的に人間がとる最大パワーを発揮するための引き方のはずです。
まさか前を向いて引っ張る少年はいませんよね。

ということは後ろを向いてお尻を引きながら落としていくような動作が、
重心移動を起こす上で必要になってきます。

すると骨盤の向きはやや2塁方向をむき、軸足膝は内側ではなくややガニ股、
足は母指球ではなく小指側のエッジで捕らえるべきだと分かります。

これがLAS投球動作でいう「後くの字」という動きになります。
それでは「後くの字」を導くためのトレーニングを紹介します。

◆実践編・コンディショニングトレーニング◆

「プル・スクワット」

二人組で向かい合って手をつなぐか、
一人の場合は柱などをつかみます。

後ろに引っ張り合いながら、お尻をとにかく後ろに出すようにして、
スクワットを同時に行います。

膝を使って下に降りるのではなく、
お尻を後ろに出すことによって重心を落としていくことが大切です。

膝の位置は内側に入らないように気をつけましょう。
ただし両足は平行にしておきます。
つまりやや小指側に体重を乗せておくと良いでしょう。

正確にいえば内側のアーチ(土ふまず)をしっかりと保つことです。

この運動によってお尻を後ろに出す体の使い方を覚えましょう。
上半身は胸を張って前かがみになります。
骨盤からしっかり前傾(お辞儀)させるイメージです。

回数などは特に決まりはありませんが、
動きが覚えられるまで何度も繰り返し行いましょう。

体重移動にお悩みの方は、是非お試しください。

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【なぜ足裏が注目されるのか】

◆「なぜ足裏が注目されるのか」◆

最近スポーツの中で「足裏」の大切さが注目されつつあります。
ただ、足を鍛えるとピッチングでどうなるのか。
この疑問が解決されない限りはやる気にもならないし、
実際の効果もそれほど感じられない所だと思います。

こんな繋がりが考えられます。

足のアーチがある状態とない状態では、
くるぶしの高さに違いが出ます。
アーチが下がると当然くるぶしが落ちます。

すると一番問題なのが、膝が内側に入り、前に出るということです。

この位置に膝が入ってしまうと、
お尻が後ろにある状態(パワーポジション)を保てず、
骨盤が後傾(ソファにだらっと座った状態)し、
猫背になるような姿勢が生まれます。

この状態で投げようとすれば当然肩甲骨の動きは阻害され、
投球動作は肩や肘を中心としたものとなってしまいます。

だから足裏が大切なのですね。
では、実践編に入りましょう。

◆実践編・コンディショニングトレーニング◆

テニスボール踏みとタオルギャザー

硬式のテニスボールを用意します。
踏む。
これだけです。

ポイントは足の真中、土ふまず、指球と、
アーチを作るようなイメージで転がしながら踏んでいきます。
すると足裏の筋膜が緩み、指などの機能が高まります。

そしてタオルギャザー。
足の指を使ってタオルをたぐりよせる。

これをボール踏みをせずにやってしまってはもったいないのです。
コンディショニングとはトレーニングの効果を高めるものです。

その後、若干足裏の筋肉を使った感じが出ると、
スクワットやピッチングが微妙に変化します。
また、立ったときの足の感覚も変わります。

感じられたらかなりレベルが高い状態かと思います。

是非トライしてみて下さい。

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第一号【LAS理論の成り立ち】

◆「LAS理論の成り立ち」◆

LASとは、「Long Arm Spin」の略称です。
長い半径で円を回旋させるということですね。

物理学を基に考えていますが、
リリースの時にボール(指先)が円運動をしていますが、
この円の中心をどこまでボールから遠い位置に出来るかということです。

例えば手首や肘を中心に円を回すと、
とても小さな半径になります。

円運動の方程式を考えると、
円の半径が長い方が末端の速度は上がります。

つまり、円の中心を手首などではなく、
ずっとずっと遠くの、
ヘソのこぶし一個下(人間の重心である「丹田」)あたりに置くべきで、
そこを中心に運動させることが球速アップのカギになります。

なぜ重心なのかは追って解説します。
最近までは左股関節(右投手の場合)としていたのですが、
重心の方がよりスピードが出せそうです。

では実践編でどのようなトレーニングをすると重心を中心に使えるのか、
解説させていただきます。

◆実践編・コンディショニングトレーニング◆

「V字腹筋」

仰向けになり、バンザイします。

両足と両手を同時に地面から離し、
丹田(重心)の真上でつま先をタッチします。
身体がVの字になるようなイメージです。

手足だけが動くのではなく、背中もしっかり浮かせながら、
出来るだけ身体全体で動かします。

この時股関節や腹筋を全て同時に使っていますね。
これが重心を中心とした動作のときに使う主な筋肉です。

この動作を連続で行っていき、
最初は10回くらい。
慣れてきたら限界まで行う。
そして日々(2日に1回くらい)限界に挑戦していきます。

お腹への意識は忘れないようにしましょう。

丹田中心の動きをマスターして、
LAS投球動作に近づけて効率的にボールを加速させましょう!

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ブルペンのホームページをリニューアル致しました。

この度、野球専門の情報サイト『ブルペン』のホームページをリニューアル致しました。
今後ともご愛顧の程よろしくお願い申し上げます。

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